ゆいが幼児であることと、何か関係があるの?
ぼろぼろになって人間世界に落ちてきたコトにとって、自分を見捨てようとしなかったゆいは、「残酷な世界で弱いものを守れる存在」そのものなんだ。
ああ、そうか。警察官として自分ができなかったことと重なるんだな。
ちなみに冒頭で、金魚を海へ流そうとするこのシーンは、かつて父親を津波で亡くしてから、母親と行った「灯篭流し」を意識している。ゆいは自分が死なせてしまった金魚の魂を、海に送り出さなきゃ、と考えたんだろう。
でも結果、送り出した先に怪物達が口開けて待っていたから、ゆいもびびるわな
そう。これでは「きちんとお別れができない」んだ。
ゆいは金魚を守るために、金魚鉢を抱えて必死に逃げるんだが、この行動に損得勘定や世間体なんてない。かっこよさも、正しさもない。
でもこれって、大人は絶対できない行動なんだよ。そういう身を挺して、感情を爆発させて全力で誰かを守ろうと行動できるのは、幼児だけなんじゃないかと思う。
たしかに。なんか子供の頃は、傷ついた動物がいたら手当てして面倒見て、ってことを必死でやった覚えがあるな…
コトは最初、「人間なんて巻き込んじゃいけない」「大人の汚い話なんて子供に聞かせるもんじゃない」と、最初だんまりを決め込むんだが…。
必死に守ろうとするゆい自身のことが気になって、神様の力でゆいの過去を見透かし… ここで気持ちが変わるんだ。
どうして?
失うばかりの人生を送ってきたゆいだから、失うことの意味を分かってくれるんじゃないかと。
ああ…
でも汚職、隠蔽、責任の擦り付け合い…子供に聞かせる話じゃないよな
だが、いずれゆいも大人になるんだ。
コトなヒナのように、かつて幼い時に見ていた理想郷が、悲惨な現実にぶち壊されて、立ち直れなくなる程のダメージを負うかもしれない。
でも人間、負けた後も生きていかなきゃいけない。負けた後の人生のほうが長いんだ。
負けを受け入れて、脱皮するように起き上がって、
次の階段を見つけてまた上らなきゃいけない。
お、おう… そうだな
そのあたり、登場人物の中でも幼いヒナというキャラクターにも焦点をあてていきたいので次のコラムで解説していきたい。